戦略記事

【シティリーグ高田馬場ベスト8】キュウコンマッシルガン解説【前編】

アローラ! 「へる」こと「イノウエ タカヒロ」です。
10/27に「トーナメントセンターバトロコ 高田馬場店」で行われた「シティリーグ シーズン1」に参加し、そこでベスト8に入賞することができました。
今まで参加した公式戦の中で初めて決勝トーナメントに進出できたので率直に嬉しいです。これからも更に上を目指して頑張ります。
今回はシティリーグで実際に使用した【キュウコンマッシルガン】のデッキリストを公開しつつ、基本的な戦術と採用理由、各デッキ毎の立ち回りを解説していきます。
またいつものように長くなってしまいますが、最後まで見ていただけたら幸いです。

デッキレシピ

【マッシブーンGX + ルガルガンGX + アローラキュウコンGX】

【マッシブーンGX + ルガルガンGX + アローラキュウコンGX】

デッキインフォメーション

アーキタイプ マッシブーンGX + ルガルガンGX + アローラキュウコンGX
レギュレーション SM1~SM8a
デッキコード 5fdF1k-EE3HCI-VVdFvF
開催日 2018年10月27日
成績 シティリーグ高田馬場(シーズン1:第一回) ベスト8(128人)
プレイヤー名 へる(イノウエ タカヒロ)

各カードの採用理由が知りたければ【後編】へ!

当日のマッチアップ

予選スイスドロー 1回戦:◯【祠マッシダスト】 2回戦:◯【ウルトラネクロズマGX】 3回戦:◯【ロストマーチ】 4回戦:◯【ルカリオルガルガン】 5回戦:●【ウルトラネクロズマGX】 6回戦:◯【ゾロアークジュナイパー】 決勝トーナメント 1戦目:◯【ルガゾロパンプジン】 2戦目:●【ナゲツケサル】

デッキ概要

スピーディなビートダウンデッキ

シンプルながら優秀な技構成の《マッシブーンGX》と、特性・GX技共に盤面のコントロールに長けた《ルガルガンGX》
そして複数グッズサーチとベンチ狙撃技を持ち、《マッシブーンGX》と強烈なシナジーを形成している《アローラキュウコンGX》を組み合わせたビートダウンデッキです。
「ジェットパンチ」で序盤からプレッシャーをかけつつ、中盤は《ビーストリング》によるカウンターパンチ、終盤は「デスローグGX」と1回のゲーム内で異なる角度から脅威を与え続けます。

デッキとしての立ち位置

ゲームプラン自体は旧スタンダード自体から変わらないものの、新スタンダードに移行後は重要なパーツが使えなくなり、弱体化を余儀なくされました。
しかし現環境でも《ゾロアークGX》が猛威を振るっており、このデッキはそれに対する優秀なメタとしての立ち位置を確立しています。
また、後攻1ターン目から攻撃できる速度感と、「ジェットパンチ」によるベンチへのダメージ蓄積は、未だに進化ポケモン主軸のデッキに有効です。
パワーの上限こそ他のデッキより劣りますが、たねポケモン特有の安定感とスピードにより、“相手の準備が整う前に盤面を引っ掻き回せるのが強み”です。

旧スタンダードとの違い

たねポケモン狩り性能

XYのカードに存在していた《ストロングエネルギー》《ちからのハチマキ》が使えなくなった影響で、進化前のたねポケモンを狩る性能が落ちました。
新スタンダードでも《ディアンシー◇》《ビーストエネルギー◇》が存在するので問題ないように見えますが、HP60のポケモンを「ジェットパンチ」で倒すには前者だけでは足りず、HP70に至っては両方必要になります。
この2枚はプリズムスター故に1枚ずつしか採用できないので、サイド落ちした際はプラン変更を余儀なくされます。

デッキ全体の安定感

技の威力も不安定になりましたが、それ以上に《コルニ》が使えなくなった影響でデッキ全体の安定感も損なわれました。
状況に合わせたポケモンとグッズをサーチできた《コルニ》の存在は大きく、特に感じたのは“《ルガルガンGX》への進化しづらさ”です。
先行1ターン目の《イワンコ》から、続くターンでの《ルガルガンGX》進化→ブラッディアイはそのままマウントを取れるいい戦術だったのですが、《ハイパーボール》以外に汎用的なサーチが少ない現状ではそれも難しいです。
デッキコンセプトの強さ自体は健在なものの、それらを高い確率で成功させられた安定感も強みの一つでした。そこにおいては間違いなく弱体化しています。
これにより、以前よりも繊細な立ち回りが要求されるようになりました。特に今は非GXに強力なポケモンも多く、環境全体では有利なポジションとは言えません。
「ジェットパンチ」のダメージ計算、あらかじめベンチに出すポケモン、サイドを取る流れなど“些細なミスが敗北に直結する”ケースが増えました。

移行後の新勢力

一方でこのデッキは新たな戦力も獲得しました。それが《アローラキュウコンGX》です。
グッズサーチにより中盤以降《コルニ》が担っていた役割をそのまま受け継ぎ、《ビーストリング》へのアクセスルートを維持しました。事前に《アローラロコン》を出しておく必要がありますが、《せせらぎの丘》が共有できるので難しくありません。
また、こちらにしかない強みとして“サポート権を消費しない”点が挙げられます。以前は《ビーストリング》のサーチにサポート権を使わざるを得なかったものの、こちらはドローサポートや《グズマ》と併用できます。
他にもベンチ狙撃とウルトラビーストメタを備えたアタッカーという側面も持ち、《マッシブーンGX》との相性は抜群です。《ユニットエネルギー闘悪妖》を共有できるので、エネ周りも神経質にならずに済みます。

基本戦略

絶対にジェットパンチを撃つ

レギュレーション移行の影響を受けてなお、《マッシブーンGX》の「ジェットパンチ」は非常に強力な技です。この技が未だ《マッシブーンGX》を支えているといっても過言ではありません。
バトル場とベンチにダメージを与えて蓄積させていく性質上、“序盤のゲーム展開が長引けばそれだけ有利”になります。
高耐久のGXポケモンは大技を使わずとも倒せるラインまで手が届き、《カラマネロ》《マグカルゴ》といった序盤からベンチに居座るデッキの核は、後々のサイド複数取りに繋がります。
したがって、テンポ重視で相手の盤面を崩し、少しでも序盤のゲーム展開を遅らせながら「ジェットパンチ」の試行回数を増やすことを心がけています。カードも安定感と崩しを意識して厚めに採用し、毎試合一貫した動きを取りやすくなっています。
この崩しを行いながら、後々の展開を有利にするためにも“先行2ターン目、後攻1ターン目には何が何でも「ジェットパンチ」をする”心構えでいきます。

序盤

ゲーム開始時から相手のサイドが6〜5枚の状況です。
《マッシブーンGX》でスタートし、エネが握れていた場合は順調な滑り出しです。《ルチア》《ククイ博士》《グズマ》いずれも使う選択肢になるので、相手のデッキに合わせた柔軟なプレイができます。

一番使いたいのは《ルチア》で、《ビーストエネルギー◇》《ディアンシー◇》を一気にサーチできるので「ジェットパンチ」が活かしやすくなりますし、《メタモン◇》をベンチに出せば進化の準備まで整います。
《ディアンシー◇》《せせらぎの丘》でリクルートできることもあり、盤面を整えるためにも《ビーストエネルギー◇》《メタモン◇》をサーチすることが多いです。《ルガルガンGX》を匂わせることで相手が展開しづらくなるメリットもあります。
相手がHP70のポケモンなら《ディアンシー◇》《ククイ博士》を組み合わせて倒したり、弱点がつけるポケモンがいれば《グズマ》で引っ張り出したりします。相手のデッキの核を狙うイメージで。

逆に《マッシブーンGX》以外のポケモンでスタートしてしまった場合は、《せせらぎの丘》やドローサポートでアクセスしつつ、バトル場のポケモンを《エスケープボード》《グズマ》を駆使して入れ替えていきます。
弱点や抵抗力のあるデッキ、非GXデッキ相手には1ターン「ジェットパンチ」が使えるかどうかが致命的な差になるので、壮絶な事故手札でない限りここはなんとしても使いたいところです。
余裕があれば並行してベンチに《イワンコ》《アローラロコン》を出し、1エネだけ貼っておくと中盤以降のアタッカーになってくれます。《ビーストリング》だけでは確実に息切れするので、ここもあらかじめ準備します。
SMのカードプールにはNのような捲るカードがありません。環境で見る他のデッキよりもパワーの上限値が劣る以上、ここでつまづくとそのまま押し込まれてしまうので、序盤は一番重要な期間です。
この期間が長引くのが望ましい展開で、スタートした《マッシブーンGX》はひたすら「ジェットパンチ」を撃っているだけで構いません。
ただし、中盤に差し掛かる前に《ビーストリング》、もしくはアクセス手段を確保しておくのが懸命です。《コルニ》のような即サーチできるカードがないので、準備不足では使えなくなる恐れがあります。

中盤

相手のサイドが4〜3枚の状態です。
ウルトラビーストの真骨頂である《ビーストリング》タイミングですが、このデッキの場合はまともなエネ加速手段が他にないので、正念場とも言えます。
もちろんGX技があるのでサイドレースで有利な場合は逃げきれますが、不利な場合はかなり苦しいです。常にそれを意識して立ち回りを考えていきます。

《ビーストリング》を使って最低1体は2エネついた《マッシブーンGX》を用意しつつ、サイドが4枚なら《マッシブーン》を挟んで「スレッジハンマー」で相手にカウンターを仕掛けます。
非GXを間に挟むことで相手の勝利までの手順が増えることになり、その分サイドレースを有利にできますし、もし《マッシブーン》が倒されてもまだ《ビーストリング》タイミングのままというメリットがあります。
もし序盤にサイドが奇数にずらされ本領発揮できなかった場合でも、その分《マッシブーンGX》が行動している時間が多いはずなので特に問題ありません。
また、必要なら《マッシブーン》にも積極的に《ビーストリング》を使います。「スレッジハンマー」ほどの低コスト高威力ではありませんが、《ディアンシー◇》《こだわりハチマキ》の強化を上乗せすれば、「ふりまわす」も十分な威力になります。
ここからはほぼアタッカーを使い捨てていくことになるので、必ずバトル場のポケモンが倒されることを想定して後続を用意しておきたいですね。
エネのついた《マッシブーンGX》が倒されたら返しのターンでポケモンが倒せない…ということがないようにアタッカーの選定をしていきます。

終盤

相手のサイドが2〜1枚の状態です。
ここまでに用意したアタッカーを使い、GXポケモンを仕留めて速やかに勝利します。
相手のデッキによって異なりますが、「デスローグGX」を持つ《ルガルガンGX》がフィニッシャーとして優秀です。条件・タイプと合わせて技の威力を高めやすく、GXポケモンを仕留めるのにうってつけです。
もしくは序盤に散々痛めつけたGXポケモンをあえて残しておき、最後は「ジェットパンチ」のベンチ狙撃ダメージで必至に追い込む手もあります。
これは闘タイプが弱点のデッキに対して行いやすいのですが、《アセロラ》が裏目なので狙いすぎないようにします。あくまで一つのパターンです。
どちらにしろここまで来た段階でどれだけ勝ち筋を作れていたかが大きく影響するので、選択肢は多くありません。用意したものを順当に繰り出していくだけです。

全体を通して

旧スタンダードであれば多数の強化札と安定を担保する《コルニ》により、多少のゴリ押しが通用したのですが、今は序盤の失速がそのまま負けに直結します。
目指す方向は明確ですし共通しているのですが、そこに至るまでのプレイング難度が大幅に上がっている印象です。
それでもなお、このデッキは“多角的な攻めを持ちながら、後攻を取っても捲れる”という強みがあります。数多のプレッシャーで相手の選択肢を狭めつつ、自分のペースでゲームを進められるのは魅力です。
常に自分が流れを作っているように行動すれば、自ずと勝利に近づきます。

後編へ続く